
- 危険物甲種が「意味ない」と言われる理由
- それでも危険物甲種が「意味ある」ケース
- 【比較表】危険物資格の種類と違い
- 【体験談】実際に甲種を取得して感じたこと
- 【結論】危険物甲種は「意味ない人」と「意味ある人」がはっきり分かれる
- まとめ
「危険物甲種って意味ないって本当?」
「取るのが難しい割に給料が上がらないって聞いたけど…」
そう感じている方は多いでしょう。実際、危険物取扱者の中でも最難関の“甲種”資格を持っていても、現場によっては「特に必要ない」と言われることもあります。
しかし、私は実際に甲種を取得し、就職・転職・現場の評価などでどう影響したのかを体験しました。
この記事では、「意味ない」と言われる理由と、逆に“意味ある人”の特徴を具体的に紹介します。
危険物甲種が「意味ない」と言われる理由
① ほとんどの現場で「乙種」で十分
危険物を扱う業務は、**乙種第4類(通称:乙4)**があれば対応できるケースが多いです。
実際、ガソリンスタンド・化学工場・倉庫管理など、ほとんどの現場は乙種持ちで事足ります。
そのため、甲種を取っても「すごいね」と言われるだけで、実務的な優位性がない場合も多いのです。
② 給料が上がらない・手当がほとんどない
危険物取扱者資格は国家資格ですが、手当は月1,000〜3,000円程度が一般的。
甲種だからといって劇的に増えることはありません。
| 資格種類 | 平均手当(月) | 対応可能範囲 |
|---|---|---|
| 乙種第4類 | 1,000〜2,000円 | ガソリン・灯油・アルコールなど |
| 乙種全類 | 2,000〜3,000円 | すべての危険物の取扱 |
| 甲種 | 2,000〜3,500円 | すべての危険物の取扱+管理責任者 |
資格勉強に数か月かけてこれだけの差なら、「意味ない」と感じても不思議ではありません。
③ 就職での優遇は限定的
一部の化学メーカーや研究職を除けば、「甲種必須」の求人は非常に少ないです。
多くの企業では乙種で十分なため、就職・転職で大きく差が出ることはほとんどありません。
実際に私は転職活動中に10社ほど受けましたが、「甲種を持っていて有利だった」と感じたのは化学系企業2社だけでした。
それでも危険物甲種が「意味ある」ケース
① 化学系・製造業・研究職では高評価
化学メーカーや研究所では、甲種資格者を安全管理責任者として配置するケースがあります。
特に三菱ケミカル、住友化学、日東電工などの企業では、危険物に関する理解力を評価されやすいです。
私が知る同僚は、甲種取得をきっかけに「安全管理担当」に抜擢され、年収が約40万円アップしました。
② 将来的に管理職・責任者を目指す人
乙種では「取扱」はできますが、「管理・監督」はできません。
一方、甲種を持っていれば全類を管理できるため、責任者としてのキャリアパスが広がります。
消防署への申請書類や保安講習の責任者として登録できるのも、甲種ならではです。
③ 資格マニア・転職活動での差別化に有効
転職市場では、資格欄に「危険物取扱者 甲種」と書けるだけで**“勉強できる人”の印象**を与えます。
特に理系出身の人や技術職希望者は、ポテンシャル評価に繋がるケースもあります。
【比較表】危険物資格の種類と違い
| 資格種類 | 対応できる範囲 | 受験資格 | 試験難易度 | 主な活用先 |
|---|---|---|---|---|
| 乙種第4類 | 可燃性液体(ガソリン等) | 制限なし | ★★☆☆☆ | ガソリンスタンド・倉庫 |
| 乙種全類 | 1〜6類すべて | 各類を個別取得 | ★★★☆☆ | 化学工場・研究所 |
| 甲種 | すべての危険物+監督業務 | 大学化学履修 or 実務経験 | ★★★★☆ | 化学メーカー・研究機関・消防関係 |
このように、甲種は「扱える範囲」が最も広いですが、実際に必要とされる現場は限られています。
【体験談】実際に甲種を取得して感じたこと
私は工業高校卒業後、化学工場に勤務していました。
入社当初は乙4を持っていましたが、上司に勧められて甲種を受験。半年かけて合格しました。
しかし、現場では**「乙4で十分」と言われ、手当も2,000円だけ**。
勉強した知識は安全会議で多少役に立ちましたが、「直接の給料アップ」にはつながりませんでした。
ただ、転職時には化学系企業から「資格を活かせるポジション」を紹介され、結果的にキャリアアップにつながりました。
【結論】危険物甲種は「意味ない人」と「意味ある人」がはっきり分かれる
| タイプ | 資格取得の価値 |
|---|---|
| ガソリンスタンド勤務者 | × 乙4で十分 |
| 倉庫・運送業 | △ 管理職を狙うならあり |
| 化学メーカー・研究職 | ◎ 高評価・昇進に有利 |
| 資格マニア・転職活動中 | ○ 差別化に使える |
つまり、「今の職場で必要ない」人にとっては確かに意味が薄いですが、
化学・製造業志望者や安全管理を学びたい人には大きな価値があります。
まとめ
危険物甲種は、実務的な必要性が低い業界では意味がないと感じられますが、
キャリアアップ・安全管理・技術者としての信頼性を高めたい人にとっては十分意味があります。
「資格の価値」は、自分のキャリアの方向性と合っているかどうかで決まります。
取る前に「何のために必要か」を明確にしておくことが、一番のポイントです。